私のゾウ好きは友人の間でも有名ですが、今日はアフリカゾウについて語りたいと思います。しみじみ&じっくり。 アフリカゾウは現存する陸生哺乳類の中では最大の草食動物。オスは全長6~7.5m、体高3m、体重は5トン~6トン、メスは3トン~3.5トンにもなるそう。一日のエサは200~300Kg、水は100リットル以上も飲みます。ゾウの寿命は約70歳。人間と同じくらい生きます。
とても頭が良いゾウ。ゾウは人間より記憶力が良いという説もあります。ゾウは仲間を大切にし、仲間を看病したり死に立ち会うこともあるそう。そうやってお互い助け合い、人間には聞こえない超低周波音を出して仲間同士で会話もします。ゾウ語には70種類以上もの言葉があり10キロ以上離れた仲間ともその超低周波音で会話をし、水の位置や危険情報などを共有しています。
これはアジアゾウの話しだけど、2004年のスマトラ沖地震の時も、ゾウは津波が来る前の超低周波音を聞き、津波を察知して丘に逃げたといいます。
ゾウの優れた才能はこれだけに留まりません。
まずあの長い鼻。鼻で一度に吸い込むことの出来る水はなんと10リットル!嗅覚は犬以上にすごい上、4万本もの細い筋肉が発達しているので、とても器用にわら1本やピーナッツ一粒でも掴みます。
そして大きな耳。聴覚にも優れている上、パタパタさせて体温調節にも使います。
あと大きな足の裏。とても繊細で、30~40キロも離れた所の音(振動?)もキャッチし聴覚を助けます。
水のみ場に他の動物が来たら決して追い出すことをせず水を分け合うそうです。大量に食べるゾウだから、ゾウの糞もまたすごい量。でもゾウ食べたものをほとんど未消化で排出します。食べ物を探して何十キロも歩くゾウ。ゾウの通った後には糞が残り糞の中にある種が発育して植物が実ります。こうして生態系に大いに貢献しています。
ね、ゾウってすごいでしょ。そんな愛らしく心優しいゾウですが、絶滅危惧IB類に分類されています。特に70年代から80年代にかけて象牙が狙われ大量に殺されたせいです。国際社会は密猟を禁じ、密猟者は死刑など厳しい措置をとりました。ところが、ワシントン条約が特定国に対し、限定輸出というのを認めました。そしてその輸出先として唯一合法的に認めている国はなんと日本です。象牙は装飾品や印鑑などに使われています。なんで合法輸入先は日本なのか?それは未だに市場があり誰かが象牙を買っているから。私は絶対買いませんし、日本国民全員に買って欲しくない!誰かが買う=市場がある=密輸で違法の象牙も売れると密猟者が思う=ゾウが殺されるからです。密猟でない、合法の象牙であったとしてもゾウは殺されています。今ではゾウが増えすぎている地域があり、そこでは人間の住む地域を荒らしたり生態系を崩しているから殺した方がいいんだとか、貧しいアフリカの国の密猟者は生きるために自らの危険を冒してまで象牙を取ろうとする、という象牙輸入を肯定するような記事も読みました。だけど、それっておかしい。生態系を一番乱しているのは私たち人間。
龍村仁監督のドキュメンタリー映画『ガイアシンフォニー第一番』にとても印象的なゾウと人間の話が出てきます。ケニアのシェルドリック・トラスト野生生物孤児院のダフネさんが始めて育てたゾウのエレナは、とても愛情の強いゾウで孤児院に連れてこられる幼いゾウの面倒を見ます。そして自然に帰ってからも親を殺され孤児になった動物を見つけては孤児院に連れてきました。そしてダフニさんの孤児院で育った小象が自然にかえるときは養母の役も引き受けているのです。
エレナが初めて密猟によって殺された仲間のゾウを見つけたときのこと。そのとき、エレナは何をしたと思いますか。エレナは仲間のゾウから象牙をはずして細かく砕き隠そうとしたのです。エレナは象牙により人間がゾウを殺すことを知っているのです。人間には聞こえないゾウの言葉でゾウたちは私たち欲にかられた人間のことも話し合っているのかもしれません。
何百キロも離れた土地に暮らすダフニさんが半年振りにエレナに会いに行く場面があります。エレナはダフネさんが来ることを知っていてダフネさんが待っているとやがてその場に現れます。テレパシーか超能力かわからないけどゾウが特別な力を持っているということをこの映画で益々感じました。ダフネさんとエレナの信頼関係はとても感動しました。ひどい人間もいるけどエレナはそれでも人間を愛してくれているのです。
私もゾウを愛しています。もちろん、絶滅して欲しくないし、ワシントン条約の象牙輸入限定許可も無くして欲しいし、合法輸入の指定国としての日本も撤回して欲しいと願っています。
『ガイアシンフォニー 地球交響曲』(映画)
Sheldrick Wild Life Trust(英語)
アフリカゾウについて IFAW(国際動物福祉基金)
『 象牙の印鑑は、もういらないキャンペーン 』
JWC
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